食品や飲料の値上げラッシュが続いています。なかでも異例の値上げに揺れたひとつが牛乳です。新型コロナウイルス禍に伴う外食・土産物消費の低迷で原料の生乳が余剰になる一方、ロシアのウクライナ侵攻のあおりで生乳の生産コストが上がり酪農家や乳業メーカーは値上げを余儀なくされました。余剰な生乳の廃棄を回避することも業界の課題になりました。関連記事からモノの需給や値段のメカニズムを探ります。
生乳の価格、3年半ぶりに上昇
まず、牛乳の原料となる生乳の価格(飲用乳価)が2022年度、約3年半ぶりに上昇しました。乳牛に使う輸入飼料がウクライナ危機の余波で高騰し、そのコストを転嫁するためです。バターやチーズの原料となる生乳の価格(加工用乳価)も同様に23年度の値上がりが決まりました。
乳業大手が相次ぎ牛乳値上げ
飲用乳価の上昇を受け、乳業大手も牛乳の値上げに踏み切りました。生乳が余剰でも値段が上がるという構図です。節約志向を強める消費者の買い控えを防ごうと、小売店などは消費喚起策が課題となります。
生乳余剰で大量廃棄危機再び
値上げと同時に、業界では前年度に続き、生乳が余剰なままでは廃棄せざるを得ないという課題が横たわります。とくに学校給食などがなくなる年末年始に向けて懸念が高まりました。関係者が対策を急ぎました。酪農家は生乳生産を抑制し乳業会社は乳製品の加工を進めたことで、年末年始の廃棄は回避されました。関係者は今後も需要と供給の均衡を探ることになりそうです。
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