米Microsoftは10月20日（現地時間）、「Visual Studio Code for the Web」のパブリックプレビューを発表した。わざわざローカルにアプリをインストールしなくても、Webブラウザーで「vscode.dev」へアクセスするだけで「Visual Studio Code」が完全に動作する新しいオンラインエディターだ。
「Visual Studio Code」をオンラインでホストするソリューションは他にもいくつかあるが、今回リリースされた「Visual Studio Code for the Web」はローカルファイルもそのまま扱えるのが特徴だ。「Microsoft Edge」や「Google Chrome」などのLocal File System Access API対応ブラウザーであれば、ファイルをアップロードする必要はない。Local File System Access APIに対応していないWebブラウザーでも、アップロードによりシングルファイルを扱うことは可能。リモートリポジトリも扱える。
欠点はローカル計算リソースへのアクセスを持たない点だ。アプリケーションのビルドや実行、デバッグはできない。また、統合ターミナルも使えない。そのため、コンパイルが必要なプログラミング言語ではシンタックスハイライトやブラケットペアの色付け、ナビゲーションなどを活用したソースコードの閲覧が主な用途になるだろう。
しかし、TypeScript、JavaScript、PythonといったWebブラウザーでネイティブ動作する言語サービスをもつプログラミング言語であれば、シングルファイル補完機能、セマンティックハイライト、シンタックスエラーなども利用可能。JSON、HTML、CSS、LESS、Markdownといったファイルを扱うならば、機能や使い勝手はデスクトップ版と変わらない。
そのため、とくにデスクトップ版がインストールできない・動作しない環境では本格的なコードエディターとして重宝するはずだ。たとえば、組織の方針でサードパーティ製アプリのインストールが禁止されている環境でコードを閲覧したい場合や、「Visual Studio Code」の導入が難しいChromebookなどの低消費電力マシンでコードを編集したい場合、iPadやAndroidタブレットでアプリを開発したい場合などに役立つ。
また、設定の同期機能を介してお気に入りの拡張機能を利用できるのも魅力。テーマやキーマップ、スニペットなど、UIカスタマイズ系の拡張機能であれば問題なく利用できるようだ。「vscode.dev」の独自リンクを介して、プリインストールされた拡張機能でカスタマイズ済みの「Visual Studio Code」を利用できるのも面白い。たとえば「vscode.dev/theme/sdras.night-owl」にアクセスすると「Night Owl」テーマの「Visual Studio Code」を体験できる。
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