よつ葉乳業(札幌市)は10日、乳牛のふん尿から製造した液化バイオメタン(LBM)を北海道音更町の十勝主管工場の燃料とする取り組みを始めた。同社によると、LBMの商業利用は全国初。化石燃料と比較して二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減できるほか、酪農家が抱える「臭気」の問題解決につなげる狙いもあるという。
LBMは産業用ガス大手のエア・ウォーター(大阪市)が提供する。大樹町の酪農家がふん尿を発酵させてバイオガスを生成し、帯広市にある同社のプラント工場でメタンとCO2に分離。その後、メタンガスをマイナス160度まで冷却して液化したものだ。両社は2022年10月以降、LBMを液化天然ガス(LNG)の代替燃料とする実証実験を行っており、LNGと同じように使えることが確認できたという。
よつ葉の十勝主管工場では、牛乳やバター、生クリーム、チーズなどを製造。LBMは生乳を加熱殺菌するボイラーなどの燃料として年間60トンの使用を予定している。工場全体で使う燃料の比率としては1%に満たないが、それでも年間150トンのCO2削減が期待できるとしている。
一方の課題はコストの高さ。よつ葉によると、LBMの価格はLNGの10倍程度だといい、当面はLNGにLBMを4%ほど混ぜる形で使用する。同工場の井出元郎工場長は「商業利用でLBMの普及や新技術の開発が積み重なれば、コストの低下にもつながるはず」と説明。「LBMを率先して利用し、温暖化対策に貢献していく」と語った。
からの記事と詳細 ( 乳牛のふん尿燃料に牛乳やバター製造、CO2削減し「臭気」も解決…よつ葉乳業 - 読売新聞オンライン )
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