夏に落ち込みがちな牛乳の消費拡大に向け、JA全農山形は、大規模な普及キャンペーンを行っている。夏休みで学校給食用の需要がなくなるため、主婦や子ども向けのPRを強化。飼料価格高騰などに伴う値上げによる消費マインドの低下を少しでも抑え、苦境に立つ酪農家を支える。
■苦境の酪農家支える
キャンペーンは「ナツノミルク」の名称で9月24日まで実施。民放のラジオCMで家庭でも夏休み期間中の継続した飲用を呼びかけ、幼稚園児や通学中の高校生らに牛乳パックを配布して周知を図る。
最終日は山形テルサ(山形市)で歌手のティーナ・カリーナさんらによるコンサートも開催。県産牛乳パックの指定箇所を切り取って郵送で応募すると、抽選で350組700人を招待する。対象の一部商品は宮城県内でも購入できる。
JA全農山形による夏のキャンペーンは十数年ぶり。飲用・発酵乳用乳価が今月1日、1キロ当たり10円値上げされたのに合わせた。
乳価は昨年11月にも10円値上がりしたばかりで、小売価格への上乗せは避けられない。県牛乳普及協会の事務局担当の吉本英生さん(27)は「食料品全体の価格も上がる中、消費者も牛乳を手に取りづらくなる」とみる。
消費の減退は、県内の牛乳業界に大きなダメージを与える。県内には大手メーカーの工場がなく、地元5社が酪農家から生乳を仕入れて加工、出荷している。酪農家は1990年代の300戸弱から半減し、2022年度だけで十数戸が廃業したという。
吉本さんは「これ以上消費が減り、酪農家と地元メーカーが支え合う態勢が崩れると共倒れになる。店頭から牛乳がなくなる事態も起こり得る」と強調する。
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