農林水産省とJミルク、中央酪農会議など酪農乳業業界は「寒い時期に栄養たっぷりの牛乳料理を食べませんか?」と呼びかけ牛乳の消費拡大を図る。
冬から春にかけて気温が低いことや冬休み期間中は学校給食がないこと、また年末年始の旅行などで牛乳の摂取量が少なくなる。農水省によると年間平均に比べ1か月あたりコップ一杯=200ml程度少なくなり、これをカルシウムにすると227mgの不足となるという。
日本人はカルシウムが不足しがち。火山国で酸性土壌のため、ミネラルの含有量が欧米の半分程度で、水や育つ野菜に含まれるカルシウムも少ないという。
こうしたことから農水省や業界が参加する「牛乳でスマイルプロジェクト」のメンバーは「寒い冬でもカルシウム豊富な牛乳を温かい料理から摂取してほしい」として、健康的な食生活をサポートしていく。
今後、酪農乳業界や農業団体などがさまざま消費拡大キャンペーンを実施していく。
Jミルクは12月15日から1月末にかけて「♯私のミルク鍋」キャンペーンを行う。ミルク鍋の料理写真をSNSに投稿した人に抽選で賞品をプレゼントする。
また、「給食のない日もカルシウム200+チャージ」と題して、家庭で子どもたちがコップに貼るシールを配布するとともに、トッピングメニューなど新たな牛乳の飲み方を提案する。
中央酪農会議は「スゴいぞ!牛乳」のスローガンのもと、牛乳が国産100%でありタンパク質やカルシウムに富んでいることはもちろん、血圧を安定させたり抵抗力を高め肌を健康に保つ効果など「ただの飲み物ではない(中酪)ことを発信していく。
JAグループや系統乳業メーカーでもさまざまな販売促進キャンペーンを企画している。
農林水産省は「酪農は厳しい状況にあるが、牛乳の栄養価など再評価して広く国民が摂取する機会が増えれば酪農家の応援にもつながる」として安定的な生産・供給を維持するためにも牛乳の摂取を推奨していく。
年末年始は気候の要因だけでなく学校給食がなくなるという要因もあって一時的に需給が緩和する。
Jミルクは需要減と11月からの乳価引き上げにともなう消費減を見込み、9月時点では前年比4%減との見通しを示していたが、11月第3週では1~2%減にとどまっているという。一方で全国で生産抑制に取り組み北海道では4~5%減、都府県では2~3%減となっており、年末年始の需給状況は「まったく見通せない状況ではなく、何とか乗り越えられるのではないか」(Jミルク)との見方を示す。ただ、生乳廃棄の懸念について今後も予断を許さず業界として消費拡大に力を入れていく。
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牛乳でスマイルプロジェクト」を立ち上げ 農水省
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