10月26日 19:27
記録的円安で酪農家が悲鳴 子牛の価格下落 厳しさ増す環境 《新潟》
コロナ禍の影響で打撃を受けた酪農家に記録的な円安が追い打ちをかけています。輸入しているエサ代の値上がりに加えて収入を支える子牛の価格が下落。苦境に直面しています。
<リポート>
「もちろんこのままでもおいしいですが、牛乳はこれからの時期ホットミルクやクリームシチューなどにも活躍しますね。ただその一方で、酪農家たちは窮地に立たされているといいます」
新発田市で乳牛を育てる中野牧場です。生産者の中野浩一さんは毎朝6時頃から牛のエサやりをしています。このエサとなる牧草、中野さんの所では半分を輸入に頼っています。
しかし、ウクライナ情勢の緊迫に加え、記録的な円安によって価格が高騰。11月からは1か月にかかるエサ代が去年と比べて45万円ほど多くなるといいます。
そこに追い打ちをかけたのが・・・子牛です。
牛を出産させなければ搾乳はできないため、中野牧場では週に1頭ほどのペースで子牛が生まれています。メスはそのまま乳牛として育てますが、オスや、より高く売れる和牛との交雑種は肉牛として出荷します。しかし・・・
<中野牧場 中野浩一さん>
「売っても金額がだいぶ下がってしまって、3分の1くらいでしょうかね。1年前から見ると・・・メインは牛乳販売ですが年間50頭ぐらい産まれるので子牛販売も収入としては大きい割合ですよね」
取り引きの資料を見せてもらいました。子牛1頭あたりの平均価格が記されています。
<中野牧場 中野浩一さん>
「1年前だとこれが28万円くらいでした。今だと11万円。乳用種のオスだと1年前だと12万円とかだったんですけど特に値段が下がって、今2万円いけばまあいいかなっていう・・」
収入を支える子牛の価格下落。エサ代の高騰などで買い手が少なくなっているといいます。
<中野牧場 中野浩一さん>
「エサ代高騰は肉牛農家さんも一緒なので子牛が飼えないんですよね。お互い厳しい状況なのでしょうがない部分はありますよね…」
そうした中、26日に開かれた酪農を専門とする農協の理事会。
【酪農にいがた農業協同組合 五十嵐潔 組合長】
「乳価のことに関してですが、大変われわれ厳しい状況にありまして」
県内の生産者に対して国が1頭あたり1万円を交付するなどの支援策が説明されました。
さらに、県産牛乳の販売の大半を請け負う北陸酪連は11月1日から乳業メーカーとの取引価格を1キロ当たり10円値上げをします。これは、酪農家の手取りを確保するための緊急的な措置だといいますが、エサ代の高騰の負担を賄いきれないのが現状です。
北陸酪連によると4月以降、10軒近くの酪農家が廃業・休業を余儀なくされています。
生産者からは海外に頼らず国内で循環する仕組みが必要との声も上がります。
【酪農にいがた農業協同組合 藤田毅会長】
「為替相場とシカゴのトウモロコシ相場に左右されない経営ということを僕は元々そう思っていましたから。日本の国産のもの(肥料)を少しでも作るとシフトしない限りもたないと思っています」
新発田市で酪農を営む中野さん。11月から牛乳の価格が上がることで買い控えにつながらないか不安を口にします。
【中野牧場 中野浩一さん】
「物価高で皆さん厳しいので、牛乳いっぱい飲んでくださいとはなかなか言えないんですけどもスーパーで買う時に新潟県産牛乳を手に取っていただけると酪農家としては大変助かるかなと思います」
エサ代の高騰に子牛の価格下落・・・酪農家を取り巻く状況は厳しさを増しています。
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