Lidoは、ステーキングを簡単・便利に利用できるようにするソリューションです。
Lidoを利用することで、ステーキングした資金をDeFiなどで運用することが可能になり、資金がステーキングによって固定化されるのを防ぐことができます。
これまで、Lidoにステーキングされた資産は8,000億円、支払われた報酬は200億円を超えています。
この記事では、そんなLidoの基本的な概要から特徴、具体的な使い方(画像付き)などについて、解説しています。
この記事のまとめ
・Lidoを利用することでPoSなどへのステーキングが可能
・ステーキングすることでstETHを獲得可能
・stETHはDeFiなどで運用可能
・SolanaやPolkadotなどにも対応
Lidoとは?柔軟なステーキングが可能に
Lidoは、簡単・柔軟なステーキングを可能にするステーキングソリューションの1つです。
利用者は、Lidoを通して各ブロックチェーンに対してステーキングを行うことで、さまざまなメリットを享受可能です。
最も代表的なものに、ステーキングしたETHなどを間接的に、各DeFiプロダクトなどで利用することが可能になる点が挙げられます。
そんなLidoの概要・基本的な機能について、以下のポイントから解説していきます。
- ステーキングの概要と課題
- LidoのstETHを用いて運用が可能
- stETH、wstETHの違いについて
Lidoのコアとなるステーキングの概要から、Lidoが解決する課題についてチェックしていきましょう。
PoSに対するステーキングの概要と課題
イーサリアムを含めた複数の仮想通貨ではPoSを採用しており、PoSに参加するために必要となるなのがステーキングです。
PoSとは、ブロックチェーンのブロックを追加する際の合意方法の一種。
PoSに参加するには、各ブロックチェーンで中心となっている仮想通貨(ETH・SOLなど)をロックする必要があり、そのことをステーキングと言います。
ステーキングを行った方は、各ブロックチェーンで設定されている一定の金額を報酬として得ることが可能です。
PoSにはPoWと比較してさまざまなメリットがありますが、デメリットもいくつか見られ、代表的なものに資金の固定化が挙げられます。
ステーキングをしている間は、ロックしている仮想通貨を動かすことができず、DeFiなどでの運用ができません。
顕著な例では、イーサリアムが挙げられます。
イーサリアム最大のアップグレード「The Merge(マージ)」がまもなく実施予定です。
時価総額で30兆円を誇るイーサリアムの一大イベントであるマージについて、スレッド形式でかんたんに解説していきます。https://t.co/7rGpaWG0ju
— CRYPTO [email protected]暗号資産・ブロックチェーンメディア (@CryptoTimes_mag) September 12, 2022
イーサリアムでは、PoWからPoSへの移行に伴うアップデートが実施されており、既に多数のETHが預けられています。
しかし、”Shanghai”というアップデートが実施されるまでは、預けたETHを取り出せません。
つまり、現在、ステーキングされたETHは、何も操作できない状態なのです。
イーサリアムのアップデートが実施されることで、上記の仕様自体は無くなります。
しかし、仮にアップデートを実施してステーキングから資金を取り出せるようになったとしても、PoSへのステーキングによって資金が固定化される問題は依然として解決されません。
また、これはイーサリアムに限らず、PoSを採用している他のブロックチェーンにも見られる問題でもあります。
LidoのstETHを利用してデメリットを解消
Lidoでは、stETHを用いて前述の課題を解決しています。
Lidoの利用者は、Lidoを通してイーサリアムに対してステーキングすることで、ETHと1:1で価格が連動しているstETHを獲得可能です。(市場では若干の乖離が見られる)
stETHはステーキングによる報酬を集計して、自動的にstETHの残高が変わる仕様が備わっています。
そのため、ステーキングしたETHに対する報酬の獲得は、自動的にstETHの残高が増えることで反映される仕組みになっています。
また、stETHは各DeFiプロダクトで利用可能となっており、ステーキングしたETHを間接的に運用可能です。
もちろん、stETHはステーキングしたETHを解除することで、ETHとstETHの1:1の変換も可能です。
(現状は前述したアップデートの問題で変換できませんが、アップデートによってステーキングから資金を取り出せるようになると、変換可能になります)
stETHとwstETHの違い
Lidoのイーサリアム関連のトークンには、stETHの他に「wstETH」というトークンも挙げられます。
stETH・wstETHともに「ステーキングしたETHの報酬を反映させる」という点は変わりません。
しかし、stETH・wstETHでは「報酬を反映させる仕組み」が異なります。
前述の通りstETHは「利用者のアドレスの残高を変更することで報酬を付与」させるトークン。
しかし、この仕様は複雑なため、各DeFiプロダクトやL2では互換性を持たないケースもあります。
An update on Lido’s L2 plans 🏝️https://t.co/rvMSbsyWX2 pic.twitter.com/nfby4S63Ba
— Lido (@LidoFinance) August 16, 2022
(L2での対応を発表するTwitterの投稿。しかし、当面L2での対応はwstETHのみとのこと)
上記のような互換性の問題を解決するのが「wstETH」です。
wstETHは、stETHのように自動的に残高が変化しません。(他のトークンと同じような挙動)
一方で、stETH・wstETH同士の変換に対応しており、stETH・wstETHの変換時に報酬分を反映させた変換が可能です。
(stETH To wstETHの変換レート。記事執筆時点で1stETHに対して0.9201wstETHのレート)
例えば、1stETHを1wstETHと変換したと仮定しましょう。
1wstETH保有時に報酬を獲得しており、実質的に10%が上乗せされていたとします。
この際、1wstETHをstETHと変換した場合、1.1stETHを入手できます。(つまり、報酬の10%分、1wstETHの価値が上がります)
stETHとの互換性を持たない場所で利用すると、報酬が反映されないといったトラブルも予測されるので、wstETHとの使い分けが必須です。
Lidoの3つの特徴
これから、Lidoの特徴について以下の3つのポイントから解説していきます。
- 気軽にステーキング可能
- ステーキング中でもETHの運用が可能
- 他の通貨でも利用可能
さまざまなメリット・特徴から、LidoでステーキングされたETHは400万ETHを超えています。
多額のETHが集められているLidoの強みと実際の利用例などをチェックしていきましょう。
気軽にステーキングが可能
まず、はじめに挙げられるポイントとして、Lidoを通すことで気軽にステーキングが行える点が挙げられるでしょう。
イーサリアムのステーキングを直接的に行う方法もありますが、技術的な問題や資金的な問題からハードルが高い面は否めません。
一方で、Lidoなら少額から数クリックで、ステーキングに伴う報酬を獲得できるのはもちろん、イーサリアムなど各ブロックチェーンの安定性を担保する一員になることができます。
具体的には、以下の画像のようにLidoでステーキングすると、Lidoのコントラクトを通して間接的にステーキングできます。
また、報酬もstETHの残高を通して自動的に反映され、計算式を用いて預けたETHに応じた配布される仕組みになっているため、報酬のチェックも容易です。
ただし、stETHの残高を通した報酬の反映には10%の手数料が含まれているため、直接的にイーサリアムにステーキングするよりも報酬は減少するため注意が必要です。
ステーキング中にETH(stETH)の運用が可能
前述のとおり、LidoにETHをステーキングすると、stETHが獲得できます。
このstETH(もしくはwstETH)は、DeFiプロダクトで利用可能です。
例えば、AAVEなどで担保として利用することが可能であり、stETHを利用してETHを借り入れることが可能です。
また、DEXを利用してstETHを売り出すことも可能なので、間接的にステーキングしたETHを入手することもできるでしょう。
上記のように、Lidoを活用すると、ステーキングした資金を柔軟に運用していくことが可能です。
複数の通貨が利用可能
この記事では、代表的なイーサリアムを中心的に解説していますが、Lidoはその他の通貨も扱っています。
以下が、9月23日時点でLidoが扱っているブロックチェーンと通貨になります。
ブロックチェーン | APR | ステーキング後の通貨名 |
イーサリアム | 5.2% | stETH |
Soalana | 5.5% | stSOL |
Polygon | 6.3% | stMATIC |
Polkadot | 16.5% | stDOT |
Kusama | 11.4% | stKSM |
(APRは9月23日時点のもの)
基本的な仕組みは、イーサリアムと似通っていますが、細かな仕様などは各ブロックチェーンによって異なってきます。
ステーキングしたい仮想通貨がある場合は、各ブロックチェーンごとの仕様などを予めチェックおきましょう。
Lidoの使い方を解説
次に、Lidoの使い方について、以下のポイントから解説していきます。
- Lidoとウォレットの接続
- Lidoでステーキングする方法
- これまでの報酬の確認方法
- stETHとwstETHの変換方法
上記の手順を参考に、Lidoの使い方をマスターしていきましょう。
また、Lidoの利用には前提として各チェーンにあったウォレットとネットワーク設定、ステーキングする仮想通貨が必要です。
これから解説する手順は、ETHでLidoを利用する手順になっているので、MetaMaskなどのウォレットを作成しておきましょう。
MetaMaskの使い方についてはコチラの記事で解説しています。
ウォレットとLidoの接続
はじめに、Lidoとウォレットを接続していきましょう。
- Lidoへアクセス
- 「Connect Wallet」へ
- 自身のウォレットを選択
- ウォレットの承認を済ませる
上記の手順で、Lidoとウォレットの接続ができたら、利用するための事前準備は完了です。
Lidoでステーキングする方法
次に、Lidoでステーキングする方法をチェックしていきましょう。
Lidoでステーキングする方法は以下のとおりです。
- 「STAKE」へ
- ステーキングする量を入力
- 「Submit」へ
- ウォレットの承認を行う
一度、ステーキングすると解除はできませんが(イーサリアムのアップデートが実施されるまで)、DEXなどでETHと変換することにより、間接的に解除することも可能です。
これまでの報酬を確認する方法
次に、これまでの報酬を確認する方法をご紹介していきます。
- 「REWARDS」へ
- 各項目をチェック
項目ごとに、以下のような点がチェック可能です。
- stETHの数量
(stETH balance) - 獲得したstETHの数量
(stETH earned) - 平均的なAPR
(Average APR) - stETHの価格
(stETH price)
前述した仕様の影響で、ウォレットの残高は日々変化するものの、これまでの収益を振り返るといった用途で活用すると良いでしょう。
stETHをwstETHに変換する方法
最後にstETHとwstETHを変換する方法をご紹介していきます。(Wrapする方法)
stETHと互換性のない利用方法を検討している場合は、上記の手順でwstETHへ変換していきましょう。
Lidoの注意点とリスク
Lidoには、いくつか注意点やリスクが存在しています。
特にstETHの取り扱いを誤ると、報酬を獲得できないといったトラブルに繋がる可能性もあります。
そのため、以下のポイントからLidoの注意点について押さえていきましょう。
- stETHの残高は減少する可能性
- stETHと互換性
- stETHとETH間における市場価格
Lidoを正しく使うためのポイントをチェックしていきます。
(これから解説するのは、あくまで一部のリスク・注意点であり、常にさまざまな潜在的なリスクが存在しています。)
stETHの数量は減少する可能性
前述したとおり、stETHは ステーキングの報酬によって残高が増加し、報酬が付与される仕様です。
しかし、これは同時に「減少する可能性も存在している」ことを意味します。
というのも、stETHの供給は、LidoにあるETHの総量とETH保有者のシェアを元に計算され、いくつかの経費を引いて残高に反映します。
このため、ETHの総量が減少すると、stETHの残高が減少する可能性があります。
代表的なものに、バリデーターがブロックチェーンからペナリティを与えられるケースが考えられるでしょう。
PoSでデータを検証する主体をバリデーターと言います。
望ましくないバリデーターに対しては、予めペナリティが設定されていることが一般的で、何らかのエラー・不正などを行った場合はステーキングした資金が没収されることもあります。
上記の没収は、Lidoを通してステーキングしているETHも対象となり、Lidoと連携しているバリデーターがペナルティを被った場合、ETHの総量が減少し、stETH残高の減少などが見られる可能性があるでしょう。
stETHと互換性
前述したとおり、stETHはステーキングの報酬を残高にて反映させるといった仕様を採用しており、wstETHなどを採用することで各プロダクト・プラットフォームとの互換性を保っています。
stETHを用いて誤った運用を行ってしまうと、報酬を受け取れないといったリスクがあるため、利用するために予めwstETH・stETHを利用べきか否か?をチェックしておくのがおすすめです。
また、各プロダクトによってstETHに対応している場合でも、対応している範囲が限定的(一部の機能のみサポート)といったケースもあり、こちらも留意しておくと良いでしょう。
市場価格ではETHの価格と乖離が見られる
stETHとETHの変換レートは1:1に設定されています。
しかし、これは必ずしもstETHとETH間の市場価格が一致するということを意味しません。
実際に、9月23時点ではstETHがETHよりも若干安く取引されています。(1stETH = 約0.993ETH)
(過去一年のETH・stETH間のチャート CoinGeckoより)
そのため、市場を通して(DEXなどを通して)間接的に、ステーキングを解除するといった場合は、レートに注意したいと言えるでしょう。
(ただし、Lidoからダイレクトにステーキングを解除できるようになると、ETHとstETHは1:1で変換可能になります)
まとめ
この記事では、Lidoの概要と使い方について解説しました。
Lidoを用いることで、ステーキングしている資金に流動性を持たせて、柔軟な運用が可能になります。
イーサリアムはもちろん、他の通貨にも対応しているので、ステーキングしているという方は利用を検討してみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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