三重県伊勢市の山村乳業が、使用済みの牛乳の紙パックをスリッパやバッグなど小物に再生し、店頭で販売を始めた。再利用できる瓶による販売に力を入れるなど、一牛乳店として取り組んできた「環境への配慮」の一環だという。
伊勢神宮の外宮前と内宮前にある店で、ソフトクリームなどとともに販売している小物はポーチ、名刺入れなど6種類。通信販売もしている。重さは21~64グラムで値段は300~1千円(いずれも税込み)。大きさはスリッパ(使い捨て)だと長さ27センチ、幅11センチ。
牛乳パックをもんで軟らかくし、裁断、縫製して作った。小物には、それぞれ表面に書かれている「伊勢」「県産生乳一〇〇%使用」といった文字もそのまま載っている。二つの障害者就労支援の事業所に製作してもらっている。
これまで、回収した牛乳パック(500ミリリットルと1リットル)はリサイクル業者へ渡して再生紙に変えていた。エネルギーをより使わない手法として、もとの素材を加工して新たな価値を付けるというアップサイクルで製品化した。
もともと取扱商品の大半は瓶入り。今夏からは店頭で、コーヒーフロートなどの容器をプラスチック製からガラス製に切り替えている。洗浄の手間がかかるが環境への配慮を重視したためで、牛乳パックで小物を作ることもその延長だという。
いわば一牛乳店によるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み。創業家で広報担当の山村卓也さん(32)は「小さな試みだけれど、こういうものがあることで、声高に訴えなくても環境問題に関心をもってもらうきっかけになるのでは、と考えている」と話す。
ほかにも瓶で牛乳を飲む良さを広く伝えようと、店頭で空き瓶や紙製のふたも販売している。うち紙製のふたは昨年12月に発売したところ、5種類入りで1個のカプセルが1万3千個も売れるヒット商品となっている。(臼井昭仁)
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