食品の値上げが、11月も消費者に身近な品目で相次ぐ。ウクライナ危機や円安の影響で乳牛の餌となる飼料が高騰し、原料である生乳の取引価格が上がったため、大手乳業各社は牛乳やヨーグルトなど乳製品の価格を一斉に引き上げる方針だ。購入頻度の高い品目の値上げは、物価高をより実感させるとの指摘もある。
明治、森永乳業、雪印メグミルクは、11月1日出荷分から牛乳やヨーグルトなどを値上げする。明治の値上げ率は、牛乳類15品の出荷価格が2・8~5・5%、ヨーグルト58品の希望小売価格が3・6~6・3%。雪印メグミルクの値上げ率は、市販用の牛乳類やヨーグルト、デザートなど45品の希望小売価格が4・0~12・5%。
再値上げの動きも続き、菓子類ではカルビーと湖池屋が11月に今年2回目の値上げに踏み切る。
帝国データバンクによると、今年、値上げされる累計2万品目超のうち、約3分の1の6699品目が10月に値上げされたのに対し、10月1日時点で11月は765品目、12月は135品目と落ち着きをみせる。
ただ、10月は酒類・飲料のみで約3千品目を占めている。帝国データの担当者は11月の値上げについて、「飲料や食用油などは長期保存が可能で購入頻度は高くない。一方、牛乳は日常的に購入するため、消費者の感じるダメージは10月以上に大きい」と指摘する。
足元の値上げは円相場が1ドル=130円台だった夏ごろに計画されたもの。150円前後が続く足元の円安影響は来年2月ごろに反映される見通しで、物価上昇圧力が続きそうだ。
値上げの波は外食でも相次ぐ。11月はミスタードーナツ、リンガーハット、餃子の王将などが値上げに踏み切る。いずれも今年2回目の実施だ。各社は値上げの要因について、原材料の高騰と急激な円安の進行を挙げている。
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