富山テレビ放送
先週、給食で出された牛乳によって富山市の小中学校と保育施設で食中毒が発生。 21日も16校で合わせて149人が欠席または、早退をしていることがわかりました。食中毒の原因となった牛乳は、どのような工程で作られていたのか…。製造元の業者を取材しました。 この問題は、先週17日から18日にかけて富山市の小中学校や保育施設に通う1212人の子どもが食中毒の症状を訴えたもので、富山市保健所は給食で出された牛乳が原因だと断定しています。 富山市教育委員会は、21日の会見で、21日嘔吐や下痢の症状を訴え、欠席や早退した児童・生徒数は15校の小中学校で136人、教職員は2人だったと発表しました。 これに富山大学附属小学校を合わせると欠席・早退者数は149人にのぼります。 また、市内5つの保育施設の児童も嘔吐や下痢の症状を訴えていて、21日17人が欠席や早退をしています。 欠席者や早退者の中に、重症者や入院している人はいないということです。 また、会見の中で市の教育委員会は、食中毒の原因となった牛乳の提供業者は県学校給食会が選定する制度になっていたとして、今後この制度の見直しを検討する考えを示しました。 *富山市教育委員会 大久保秀俊事務局次長「(食中毒をおこした)菌やどこでどうなったかは調査中。全てが明らかになった時点で(制度見直しを)検討する」 今回、食中毒の原因となった牛乳を製造し、19日保健所から営業禁止の処分を受けた富山市の内田乳業です。 *内田乳業 内田喜夫社長「毎日毎日おいしく飲んでる牛乳がそういうような形になって本当に申し訳なかったと思っています」 内田乳業では、給食用牛乳の出荷が全体の7割を占め、200ミリリットルのパックで1日およそ7000本分の牛乳を出荷していました。 その製造工程です。 内田乳業では、毎朝6時ごろに県内の酪農家が生産した生乳を仕入れタンクに貯蔵しています。 その後、生乳を128度で1秒間、加熱殺菌します。 これをパック詰めして冷蔵庫に保管し、翌朝午前7時ごろに各学校へと出荷しています。 今回、保健所は、貯蔵タンクとそこから加熱殺菌機につながるパイプ部分の洗浄が不十分で、食中毒につながった可能性が高いと指摘しました。 一方、内田喜夫社長はBBTの取材に対し、食中毒の原因については「わからない」とした上で、生乳を貯めるタンクやパイプは毎日洗浄していたと説明しました。 *内田乳業 内田喜夫社長「水洗いと洗剤で洗ってます。分解する時もあれば、流速でCIPというんですが、流速で洗ってる場合もありますが、その部分に関しては手洗いで毎日外して洗っています。こういうパイプの掃除のあれで洗ってます」 さらに、加熱殺菌後の工程では、学校に納品するまで常に牛乳の温度を10℃以下に保つよう温度管理も徹底していたと話します。 *内田乳業 内田喜夫社長「厳しい管理でやっているつもりですが、子ども達には本当に申し訳ないと思っています。何が原因かというのは、あらためてまた見直して危害分析したいと思います」 また、富山市保健所は原因となった菌の特定を進めていて、まだ数日かかるとしています。 食中毒を引き起こす細菌に詳しい富山大学の森永芳智教授です。 今のところ、黄色ブドウ球菌が作る「毒素」が原因となった可能性が高いとみています。 *富山大学 森永芳智教授「黄色ブドウ球菌は、僕らの体の表面によくいる菌。熱を加えて毒としての活性が消える毒素と消えない毒素がある。消えない毒素は、黄色ブドウ球菌が作る毒素がそうなんだが、食材として提供される前、毒素が混ざってしまった。加熱をしても毒素が消えないので、下痢を引き起こす可能性はある」 この黄色ブドウ球菌は、牛乳を加熱・殺菌する際にほとんどが死滅しますが、「毒素」自体は分解されないことがあるということです。 ただ、黄色ブドウ球菌が作った毒素は飲食してから6時間から12時間で発症し、症状も1日程度しか続かないことが多く、今回は2日以上症状を訴えている人もいることから、別の菌の可能性も否定できないといいます。 *富山大学 森永芳智教授「ある一定の確率で起こりうることなので、どこで入ったか探し出して、作業工程を見直すこと(が必要)」 この集団食中毒を受け、富山市保健所は、市内で牛乳を製造するほかの業者に対し、緊急で立ち入り調査をし衛生管理の状況を調べています。
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