創業101年を迎えた沖縄の酪農企業・宮平乳業が2020年12月、新たな商品を発売した。
長年の課題を克服するために作られた商品が、密かに人気を集めている。
八重瀬町の牧場では、60頭あまりの乳牛を飼育し、宮平乳業に牛乳を出荷してきた。
この記事の画像(14枚)浦崎牧場・浦崎徹也さん:
(搾乳は)1日あたり1,400kgか1,500kgの間です。ずっと宮平さんに出荷しています
酪農家の愛情込めて作られた牛乳を使って、いま新たな試みが始まっている。
牛乳を使ったハンドクリーム
幅広い世代に親しまれる宮平乳業の牛乳を使って、ハンドクリームが造られた。
牛乳を意味する沖縄の“しまくとぅば(沖縄方言)”から名づけられたハンドクリーム「CHI-CHI(チーチー)」。
可愛らしいパッケージに、持ち運びしやすい手のひらサイズで、シークワァーサーやパッションフルーツなど南国を連想させる5つの香りがある。
宮平乳業・宮城陽介さん:
うちの牛乳から作ったということが1つ大きな特徴なんですけど、そのほかにも香りと使用感、見た目のデザインにもこだわって作っております
創業101年の宮平乳業の歴史の中で、牛乳を使って食品以外の商品を作るのはこれが初めて。
背景には沖縄の酪農業ならではの課題がある。
宮平乳業・宮城陽介さん:
(牛乳は)夏の暑い時期にはよく買われて、寒い時期にはあまり買われなくなっていくんです。けれども、乳牛が暑さに弱くて寒さに強い生き物なので、夏の暑い時期には搾乳量が減って冬の寒い時期に多くなる
沖縄県酪農農業協同組合のまとめによると、乳牛のストレスが溜まりやすい夏場は、冬場や春先などと比べると100~300トンも生産量が落ち込んでいる。
しかし牛乳が多く取れる冬は消費が少ないため、量販店に安く卸すなどして対応し、なかなか売り上げを伸ばすことができなかった。
宮平乳業・宮城陽介さん:
需要と供給のバランスが逆転してしまっているという現状があって。牛乳を上手く活用した飲料以外の商品を開発することができないかという事で、それが今回の開発の大きなきっかけになります
異業種展開でハンドクリーム開発
ノウハウを借りたのが、久米島町にある化粧品メーカー・ポイントピュールだった。
ポイントピュール・山川重人室長:
ハンドクリームの処方は私共持っていますので、宮平乳業さんオリジナルのホエイを配合していく
ホエイとは、牛乳に含まれる保湿力のある成分。
この成分を抽出し、ポイントピュール独自の技術でハンドクリームを作り上げた。
ポイントピュール・山川重人室長:
ミルク=保湿といいますか、お肌にいいというようなイメージは、消費者の皆様も持っていらっしゃいますので、非常に異業種展開という視点においても、やりやすいのではないかなというのは1つありました
2020年12月の発売開始から取扱い店舗も徐々に増えていて、売り上げも好調という。
THE OKINAWA SHOP・かわさき力哉さん:
売っている場所自体は小さな区画しかないんですけれども、その中ですごくお客さんに沢山手に取って頂いているような印象なので、こちらもすごく驚いています。多い日ですと、1日20本以上も手に取って頂けることもあります
買い物客:
私も乾燥肌なのでハンドクリーム使うんですけど、いい感じです
ーー実は宮平さんで作られているんです
買い物客:
牛乳の宮平さん!飲んでいます
買い物客:
シークワァーサーの匂いがめちゃくちゃして、いいですね。さわやかな匂いで
買い物客:
牛乳の成分が入っているんですか。さらさらしてあまりべたつかないので、結構好きです
宮平乳業では今後ハンドクリームだけでなく、様々なスキンケア商品の開発も検討していて、宮城さんは「県民に愛されるブランドを目指したい」と意気込む。
宮平乳業・宮城陽介さん:
外側からも、沖縄県民の健康を支えていける1つの商品になっていけたら。最終的には沖縄を代表する企業の1つとして、宮平乳業の名前を挙げて頂けるくらいまで頑張っていきたいなと思っています
牛乳の魅力を“モ~”っと多くの人に知ってもらうために宮平乳業が始めた新たな試みは、県の内外から注目されそうだ。
(沖縄テレビ)
からの記事と詳細 ( 「冬にあまり売れない」牛乳からハンドクリーム開発 創業101年の酪農企業が新たな試み【沖縄発】 - www.fnn.jp )
https://www.fnn.jp/articles/-/134467
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