全国でおよそ500店舗展開と急拡大を続けてきた「いきなり!ステーキ」だが、既存店の売上低下にともない昨年末、44店舗の閉店を決めた。
2013年12月に東京・銀座に1号店をオープン。その後、日本全国、アメリカへと出店を続けていた「いきなり!ステーキ」だが、2018年末頃から売上が下降、昨年10月の既存店の売上が前年比41.4%減、11月は32.8%減と低迷し、危機的な状況に陥った。
オーダーカットシステムを取り入れるなど、メニューを見直し、売上の挽回をはかる「いきなり!ステーキ」。福岡県の18店舗は今回の閉店対象店舗ではないものの苦戦が続いている。
福岡の中心部、天神西通りにある「福岡天神店」の店頭には、第2弾となる「一瀬(社長)より皆様へ」という告知文が大きく掲げられている。意図するところは不明だが、混迷がうかがい知れる内容となっている。
その「いきなり!ステーキ 福岡天神店」から直線距離にして200mほど離れた親不孝通り沿いに人気上昇中の「やっぱりステーキ 親不孝通り店」がある。
やっぱりステーキは2015年2月に沖縄でスタートしたステーキのチェーン店。沖縄を基盤に続々と店舗を拡大し、フランチャイズ(FC)制を導入した2017年以降、九州、東北などにも出店。現在、沖縄県に23店舗(うち直営9店舗)、本土が21店舗(うち直営3店舗)にまで拡大した。福岡、大阪、名古屋、仙台などの地方都市には出店しているが、東京には出店していない。
「やっぱりステーキ」人気の秘密は、「赤身肉」がメインで「税込1,000円」というお手頃価格にある。看板メニューは、店名と同じ「やっぱりステーキ (180g税込1,000円)」。しかも、スープ、サラダ、ご飯がセルフサービスで食べ放題だ。
最近のラーメン店と同じように店に入ると券売機があり、好みのステーキのボタンをプッシュ。ちょっと足りない人には「替え玉」ならぬ「替えステーキ(90g単位)」のシステムもある。
店名のついた「やっぱりステーキ」は、「ミスジ」という牛の肩甲骨の下にある部位の肉で、思いのほか柔らかく、溶岩石プレートでお好みの焼き加減に調整でき、10種類以上のソースをそろえている。
店舗づくりのテーマに「気軽に食べられる美味しさ」を掲げる通り、お1人様ステーキを堪能できるカウンターテーブルも用意されている。
フランチャイズの申し込みも多く、2020年には東京にも進出予定と噂される「やっぱりステーキ」。
元日に発効した日米貿易協定の発効によるアメリカ産牛肉の関税引き下げと相まって、2020年はファストフードの新業態、「ファストステーキ業界」の首都決戦が始まりそうだ。
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