■牛肉仕入れ値“急上昇”
かつてないほどの苦境に立たされています。
ステーキハウス ベラス 瀧澤典之代表
「円安で高騰のなかで、仕入れがどんどん軒並み高くなっている。何とかここで止まってもらいたいというのが一番の思い」
都内のステーキ専門店。オーストラリア産の牛肉を繋忙期にはひと月約300キロ使っています。歴史的な円安の影響で輸入牛肉の仕入れ値が3割増しと急上昇。経営が悪化していると嘆いています。
ステーキハウス ベラス 瀧澤典之代表
「肉以外にもバターや調味料、食材全体が上がっているので厳しい」
■倒産“最多”苦境のステーキ店
今、全国で相次いでいるのがステーキ店の倒産です。帝国データバンクの調査では前年度の5倍に及び、過去最多を更新しています。
来店客
「気付いたら(ステーキ店が)なくなっていることは多い」
柔らかい牛肉にこだわる店では、簡単には仕入れ先を変えられないといいます。
ステーキハウス ベラス 瀧澤典之代表
「本当は(価格を)上げたい。ただ今は客のために何とか耐えている」
■なぜ?畑違いの業態に転換
円安による物価高の波が押し寄せるなか、新たな動きも。複数のステーキ店を営む会社では6日に1店舗を閉店し、今月下旬から“畑違い”の業態に転換する予定です。
それが、わずか2年足らずで158店舗にまで急成長している「職人いらずのうなぎ専門店」です。
鰻の成瀬本部 山本昌弘代表
「アルバイトだけでも店舗が運営できる」
常識を覆す戦略で、一般的な価格のほぼ半額で提供できる秘密に迫ります。
■急増!うなぎ“半額”の舞台裏
千葉県で先月にオープンした「鰻の成瀬 幕張店」。
来店客
「おー結構すごい」
大ぶりのニホンウナギが丸々1尾入ったボリュームある「うな重」は2600円。老舗のうなぎ店などでは5000円を超えてもおかしくないため、“ほぼ半額”とリーズナブルです。
来店客
「(Q.どうですか?)うまい。安いんじゃないかなと」
フランチャイズでひと月前に店をオープンさせたのは、近くでスペイン料理店を運営する会社です。
鰻の成瀬 幕張店 松田健汰店長
「円安、物価高もあり利益が年々減ってきて、和食の業態、新たに所を探していた時に『鰻の成瀬』を見つけて(フランチャイズ)加盟を決めた」
今、「鰻の成瀬」では不況に置かれた飲食店などが次々と参入。畑違いのうなぎ店に転換する事例が増えているのです。
鰻の成瀬 幕張店 松田健汰店長
「店舗では職人はいらないのでアルバイトやパート、飲食未経験の社員でも回せる」
■“熟練の職人技”なぜ実現?
「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」と言われてきたうなぎ業界。ところが、調理しているのは熟練の職人ではなくパートやアルバイトのスタッフです。
実は、ある秘密が…。
鰻の成瀬 本部 山本昌弘代表
「ボタン一つでうなぎをおいしく焼ける機械」
店舗での作業はシンプルで、仕込んであるうなぎを注文が入った後に焼くだけです。アジア圏などで養殖されているニホンウナギを安く仕入れているといいます。
鰻の成瀬 本部 山本昌弘代表
「飲食が初めてという人もたくさんいるので参入障壁が低い。年明けぐらいには300店舗になっているのでは」
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