一時、1ドル=160円台をつけるなど歯止めがかからない円安は私たちの食にも影響を与えている。スーパーでは国産牛と輸入牛の価格の差が縮まってきているほか、ステーキ店からは輸入牛の価格高騰を懸念する声が聞かれた。
円安で“輸入牛”値上がり「安価だからこそ喜ばれていたが…」
一時、1ドル=160円台をつけるなど乱高下する円相場。
財務省の神田財務官は4月30日、「引き続き、必要なときには適切な対応を取ってまいるということに尽きます」と話すに留めた。
この記事の画像(13枚)しかし、この歴史的水準と言われている円安はスーパーの肉売り場にも影響を与えている。
新潟県三条市にあるスーパーマルセン。
太田雅悠専務が「輸入牛に関しては最近でも値上がりが進んでいて、5年前から比べて1kg300円~400円くらい値段が上がっている」と話す通り、5年前には1kg1400円ほどだったオーストラリア産の牛肉は1年前には1600円に上昇し、現在は、1700円まで値上がりしている。
「輸入牛はお客様に安価だからこそ喜ばれていたところが大きくて、店としては非常に販売しづらい状況になる」
国産牛・輸入牛の価格差縮まる「100円くらいの差」
ランクの高い和牛と輸入牛の価格差は依然、開きがあるものの、太田専務によると、交雑種と言われる国産牛と輸入牛の価格の差は部位によっては縮まってきているという。
「牛のバラ肉は交雑と輸入と100円くらいの差になってきているので、安価に召し上がっていただけたものが国産牛と変わらない状況になっている。そういった影響も広がり始める」
輸入牛の価格上昇について消費者からは「特別な日は国産牛だけど、そうではない日は輸入牛。牛肉を食べる機会が減るかなと思う」「以前は、輸入は安かったが、今はそんなに変わらないからどうなんでしょうね。価格に差がないのであれば国産牛を選ぶ」などの声が聞かれた。
手頃なイメージがあった輸入牛の価格上昇…太田専務は「円安の影響がかなり強く出ているので、このままこの状況が続くと価格が下がるどころか、これからも上がっていくのではないか心配している」と今後を懸念していた。
「今度は円安…」ステーキ店は仕入れ値高騰を懸念
一方、新潟市中央区の老舗ステーキ店では開店当初から人気のステーキセットに使用しているオーストラリア産のリブロースなどが円安の影響を受けているという。
「新型コロナ禍がかなり大きかったのと、その後ウクライナ情勢もあって原油高騰で輸送費が高くなったり、それもなんとか乗り越えている状況で、今度は円安なのでちょっと心配」
輸入牛の仕入れ値高騰を懸念するのは店長の伊藤淳巳さん。
現在は、卸売業者の努力によって値上げを抑えられているが、今後、値上げに踏み切れば1kgあたり400円ほど高くなる見込みだ。
「問屋のほうでも頑張ってもらって、こっちでも頑張って…質は落とせないし、安全性も絶対落とせない。そこは自信を持って出したいので」
牛肉だけでなく“コーン”も…「みんな上がっていく」
さらに、仕入れ値が高騰しているのは肉だけではない。
「コーンで言えば、1050円だったのが1400円になったり。うちはコーンをいっぱい使うので大量入荷する。金額的に言うと跳ね上がってしまっている」
店自慢のサラダにはコーンを多く使用している。
2023年まで使用していたアメリカ産は値上げ幅が大きいため、値段を考慮しながらも料理の質は下げないようにとタイ産に変更したが、それでも1箱400円高くなっているという。
伊藤店長は「コーンや国産品の玉ネギも上がっているし、下がることはない。みんな上がっていくので…」と頭を悩ませながらも「お客様のことも店全体のことも考えてなるべく値上げ幅を小さくして対応したい」と話した。
急速に進む円安に対応すべく、店側の経営努力が続いている。
(NST新潟総合テレビ)
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