地震による長引く断水は、石川県内の畜産業にも打撃を与えている。内灘町湖西のホリ牧場では、管理獣医師の堀牧人さん(40)が牛の体調を不安視する。
同牧場では、飼育する約400頭の牛の飲み水や、搾乳機械の洗浄などに1日あたり約20トンの水を使う。地震直後に断水してからは、町の給水所などから毎日約10トンの水を調達し、優先的に牛の飲み水として使っているが「全然足らない」と堀さん。「水を飲まないと食欲がなくなる。そうすると牛乳が出なくなってしまい、牛の健康状態に良くない。牧場の衛生面も保てなくなる」と懸念する。
牛の飲み水は本来、飼槽にためて飲ませるが、現在は水の量に限りがあるため、持ち運び用の容器に少しずつ水を入れて飲ませている。堀さんを含め従業員ら14人で朝から夜遅くまで連日、牛の水やりに対応している。
地震後も搾乳を1日1回しているが、品質的に出荷できる状態ではなく、廃棄している。堀さんは「牛も水が欲しくてずっと鳴いている。水が出ないのはやはり一番きつい。とにかく水が復旧してほしい」と話す。
(栗田啓右)
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