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Monday, January 22, 2024

「変わらなければ」 覚悟を決めたどん底の経営者 復活を支えた社員の成長とは ジャンボステーキハンズの軌跡【上】【AD】 - 沖縄タイムス

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コロナ禍以前の業績を取り戻したジャンボステーキハンズの仲本貴博代表(左)と外間慶大専務

コロナ禍以前の業績を取り戻したジャンボステーキハンズの仲本貴博代表(左)と外間慶大専務

 アメリカ軍統治の影響で、人口当たりのステーキ店が日本一多い沖縄県。「ジャンボステーキ ハンズ」は県内に9店舗を展開する人気店だ。コロナが明け、客足が戻ってきた店内は、笑顔のスタッフが忙しそうに行き交う。仲本貴博代表(34)は「コロナで、これまでのプライドをへし折られた」と苦い思い出を振り返る。倒産も覚悟したコロナ禍からの復活を支えたのは社員たちだったという。仲本代表と社員の成長の軌跡を追う。

 

 那覇市内にあるハンズ松山店。お昼時は満席となり、来店客たちがステーキをおいしそうにほおばっている。コロナが落ち着き、地元客が戻ってきたほか、海外からの観光客も増え、盛況が続く。売り上げはコロナ前を超える勢いだ。
 
 仲本代表は「ここまで回復できたのは、社員の成長があってこそ」と強調する。

「社員と共に自分自身の成長を実感している」と語る仲本貴博代表

「社員と共に自分自身の成長を実感している」と語る仲本貴博代表

 来店客が激減し、手元資金がどんどん減っていく恐怖を味わったコロナ禍。誰もいない店内で、仲本代表は覚悟を決めた。「変わらなければ」。

 コロナのような厳しい環境でも乗り越えられる会社にならなければ、これから先も生き残れない。そのためには組織が強くなる必要がある。代表の自分だけでなく、社員みんなの成長が求められる。

 そして、そのためには、自分が変わらなければ。

 これまで敬遠してきた外部講師を招いた人材育成研修を取り入れた。今までは自社内での解決にこだわってきたが、根本から変わるには、専門的な知識と体系的な学びが重要と判断した。社内事情を外部に知られたくないとの思いも振り切った。

「リデプロ」の研修は月2回程度ボードメンバーの日程を合わせてリアル、オンラインで実施。数値管理や課題の抽出、施策立案、実行の進捗管理方法を学んだ。

「リデプロ」の研修は月2回程度ボードメンバーの日程を合わせてリアル、オンラインで実施。数値管理や課題の抽出、施策立案、実行の進捗管理方法を学んだ。

 それぞれの店舗を任されている店長たちに仲本代表も加わり、イチから学び直す。まずは、仕事に対する強みと弱みを出し合うSWOT分析。その社員を目の前にし、得手不得手をみんなで討論するが、外部講師がリードすることで遠慮なく、前向きな意見が出てくる。社員たちは、自分の立ち位置を確認することで、次に向かうべき目標を見つけたようだ。

 研修はメンバーマネジメントと数値管理の基礎知識を学び、現場で実践するスタイル。知識とスキルが効率よく身についていく実感があったが、最も効果的だったのが「管理帳票」だった。

オンライン会議で「管理帳票」を活用する外間慶大専務

オンライン会議で「管理帳票」を活用する外間慶大専務

 管理帳票を導入した2022年11月。ミーティングを開いた外間慶大専務(33)は、店長たちの変化に目を見張った。

 20代の店長が「毎年1月の成人の日の3連休後は、売り上げが落ち込みます。新しいクーポン券やチラシを作って配りたいのですがどうでしょうか」と手を上げた。「いいね、それ!」「うちの店舗でもやりたい」。ほかの店長たちも賛同する。

 管理帳票は、1週間ごとの売り上げ、原価率といった数値目標と実績を店長たちが記入。その管理帳票に沿ってミーティングを進めていく。

 数字を基準にすることで、参加者全員で今ある課題を的確に把握することができる。外間専務は「これまでは漠然と課題を捉え、延々と話し合ってきた。数字を基に話し合うことで、単なる思いつきではない、地に足の着いた提案が出てくるようになった」と説明する。

 仲本代表は、研修に参加した店長みんなの成長を実感するが、ある店長の変わりように「驚いた」という。

 研修が始まる直前の2022年4月、40代の男性店長が、仲本代表に退職の意向を打ち明けた。「従業員とも来店客ともコミュニケーションがうまくいかない。接客業に向いていないと思う」という店長。その店舗は業績もよく、店長が自信をなくす理由が見当たらない。仲本代表は「もう少し頑張ってみよう」と声をかけるのが精一杯だった。

 研修を通して、その店長の表情が徐々に明るくなっていくのが分かった。仲本代表は研修メニューにあるメンバーマネジメントの効果と見ている。

 次回は、業績向上だけでなく、店長の自信を取り戻すきっかけにもなったメンバーマネジメントについて深掘りする。

 ジャンボステーキハンズグループが取り入れた研修は「リデプロ」と呼ばれる。

 各社の経営状況に応じてカスタマイズできるのが特徴。ジャンボステーキハンズは経営分析を経て、数字に基づいた戦略立案ができる人材育成を優先課題に上げた。それに従って専門家と共に研修内容を決めていった。自社の経営分析から、戦略の設計と実施までを専門家がサポートし、企業の稼ぐ力向上につなげる。2022年度から始まり、これまでに10社が採択された。

 仲本代表は「社員と共に学ぶことで、一体感が生まれ、同じ目標に向かう意識も根付いた」とする。店舗運営に自信がなさそうだった店長が、研修を受け、生き生きとした表情で年間目標を語ったのが印象的だったという。

 リデプロは「企業利益を最大化する、その鍵は人材戦略にあり」をテーマにした講演会を開く。経営者と従業員が一体となった研修で定評のある入江感動研究所の入江元太代表が講演する。1月30日(火)午後1時30分から、那覇市の沖縄産業支援センター1階102。

申込は下記フォームから
https://forms.gle/1V8NVsx5wBQC6mw39
〆切りは1月25日(木)
問い合わせは、(公財)沖縄県産業振興公社 事業支援課「リデプロ」事務局
TEL:098-859-6236 メール:k-jinzai@okinawa-ric.or.jp
受付時間:9:00~17:00(12:00~13:00 及び土日祝を除く)

 リデプロは、自社の経営状況の分析と課題の抽出を行い、企業の利益を出みだすためのBusiness(経営・事業・組織の仕組み)をRedesign(見直し・再設計)する研修プログラムだ。

 自社の課題解決に向けた人材育成計画書を経営者が作成し、その計画に合わせて、専門家を自社で選定し、研修内容をカスタマイズすることができる。

詳細は特設サイトからご確認ください。⇒ https://redeoki.com/

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