2023年11月4日発売の「日経トレンディ2023年12月号」 ▼Amazonで購入する では、「2024年ヒット予測ベスト30」を特集。日経クロストレンドではベスト10を紹介していく。10位は「A2ミルク」。一見、普通の牛乳と同じだが、飲んでもおなかがごろごろしにくい。既に海外で一大市場になっており、日本でもブレイクする可能性は高い。
※日経トレンディ2023年12月号より。詳しくは本誌参照
A2ミルク
ヨーグルト版も人気、海外では既に一大市場
必要な栄養をバランスも配慮しながら取れる加工食品が身近になった。例えば2022年は日清食品の「完全メシ」がヒットした。しかし“元祖”栄養食品と言えば、牛乳と卵だろう。特に牛乳はコップに注いで飲むだけで、たんぱく質やカルシウムなどの栄養をバランスよく摂取できる。
しかし、飲むとおなかをごろごろと壊しやすい体質の人は、手をなかなか伸ばせない。これは牛乳に含まれる乳糖を消化吸収できないのが原因で、乳糖不耐症と呼ばれる。大人になってから発症する人もいて、なかなかのくせものだ。
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24年はこの問題に光明が差す。「A2ミルク」と呼ばれる牛乳が、食品スーパーで存在感を徐々に強めているのだ。A2ミルクは一見、普通の牛乳と同じだが、飲んでもおなかがごろごろしにくい。牛乳に含まれるたんぱく質「ベータカゼイン」は牛の遺伝子によってA1型とA2型に分かれ、一般的な牛乳はA1型。大腸を通過するときに乳糖が発酵し、乳糖不耐症の人がおなかの調子を悪くする原因になる。しかし、「A2型の乳牛のみを厳選して搾ったミルクは、その発酵の度合いを抑えられる」(日本A2ミルク協会)。
革新的なA2ミルクは既に海外で一大市場に。26年には200億ドルを超える規模に達すると予想されている(グローバルインフォメーションが21年7月に発表)。日本でもブレイクする可能性は高く、オーケーは23年4月に約90店で取り扱いを開始。予想以上の人気ぶりを受けて、同年夏には全146店に拡大させた。「売り上げは伸長傾向にあり、現在は想定の2倍以上売れている状況だ」(同社の乳製品バイヤー)
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