◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 最終日(16日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC (千葉県)◇7079yd(パー70)
後続に2打差をつけて迎えた、パー5の最終18番。優勝を限りなく手繰り寄せたキーガン・ブラッドリーは、3年前の光景を頭に浮かべていた。
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「そういえば、タイガーは18番を僕が思うよりも少しゆっくり歩いていたな」。2019年大会、タイガー・ウッズと最終日最終組を回ってツアー最多82勝に並ぶ世紀の瞬間を目に焼き付けた。同じようにゆっくりと、やはりあの日と同じ左奥のピンに向かって歩みを進め、ウィニングパットを沈めた。「同じトロフィーに名前を刻めて本当に光栄だよ」。喜びを爆発させた。
1打差2位から出ると、前半のうちにリッキー・ファウラーをとらえて首位に浮上。後半11番のバーディで2打までリードを広げたが、パー5の14番でボギーを喫した。15番で4mのパーパットを沈めて拳を握った直後、今度は16番(パー3)でバンカーからシャンクするミス。アンドリュー・パットナムに並ばれても、気落ちしない。「諦めないことだけは決めていた」。17番で残り5mのスライスラインを沈めてガッツポーズ。「完ぺきだった。人生で最高のバーディかもしれない」と胸を張った。
2018年「BMW選手権」以来のタイトルに涙があふれる。「なんでか分からないけど、こんなに感情があふれたのは初めてかもしれない」。地元のマサチューセッツ州ボストンは午前3時ごろだったが、テキストメッセージを送った妻のジリアンさんからはすぐにテレビ電話で折り返しがあった。画面には長男と母親の姿も。「メジャーで勝つことも特別だけど、家族と優勝を分かち合えることも素晴らしいよね」と、また泣いた。
祝勝会は成田のステーキハウスで行うと決めているという。「午前2時から(NFLのひいきチーム)ペイトリオッツの試合もあるし、今夜は長い夜になりそうだ」。涙腺が緩みっぱなしだった36歳も、このときばかりはニヤリと笑った。(千葉県印西市/亀山泰宏)
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