コロナ禍で牛乳の消費が低迷する中、ロシアによるウクライナ侵攻でさらに厳しい状況にあるといいます。
◆酪農家 重見宝弘さん
「牛乳の1リットル当たりの単価は昔から変わっていないが、経費だけが毎月上がっているような状態。」
大分県玖珠町で酪農を営む重見宝弘さんです。
祖父の代から家業としていて重見さんは3代目。
約180頭の乳用牛を飼育し、年間900トン以上の生乳を出荷しています。
しかし、酪農にも新型コロナが暗い影を落とし続けています。
◆酪農家 重見宝弘さん
「新型コロナの影響で外食産業が動いていないので、消費が落ち込んでいるので需要と供給のバランスが崩れてどうしても牛乳の単価が低迷しているのが問題。」
去年からことしにかけての年末年始、消費の低迷を受けて一時、全国で5000トンもの生乳が廃棄される恐れが出ました。
各地で取り組みが進められ廃棄は回避されましたが、現在も需要がコロナ禍前の水準まで回復するには至っていないといいます。
さらに今、経営を圧迫しているのがロシアによるウクライナ侵攻の影響です。
◆酪農家 重見宝弘さん
「ウクライナとロシアは小麦やトウモロコシ、穀物を生産している国で、戦争が起こるとヨーロッパの輸入している国がアメリカや中国の(飼料の)引き合いが強くなるのでその影響が日本にも出てくる。」
重見さんが飼育に使う牧草は1日に約1トン。
その全てをアメリカから輸入しています。
しかし値段はこの1か月で2割ほど高くなりました。
消費の低迷に加え経費の高騰にも見舞われている酪農業。
しかし生き物を育てているだけに、頭数を減らすと需要が回復した際に対応できないため今は我慢の時だと重見さんは話します。
◆酪農家 重見宝弘さん
「どうしても(乳牛は)生き物なので、工場のみたいに需要が多ければ増やす、少なければ作らなければいいという状況にはならない。」
こうした酪農業の厳しさは消費者にも届いていて、大分市のスーパーでも購入することで支援したいという声が聞かれました。
◆買い物客は
「牛乳は好きだから消費すれば農家の人が助かるなら消費したい。」
「捨てるのはもったいないし、できたらたくさん使いたい。」
◆酪農家 重見宝弘さん
「今より少しでもいいので牛乳を使ってもらえれば酪農家としてうれしく思う。」
コロナ禍以降、苦境に立たされ続ける酪農家。
消費の拡大を呼び掛けながら、先の見通せない状況を何とか凌ごうと懸命です。
からの記事と詳細 ( 牛乳消費低迷…コロナ禍で苦境にあえぐ酪農家 ウクライナ侵攻が追い打ち 大分 - FNNプライムオンライン )
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