北日本放送
今回の食中毒で、原因となった牛乳を製造した内田乳業は、以前にも牛乳の衛生面で行政指導を受けていたことが、KNBの調べで分かりました。今回の食中毒が発生した要因は何なのか、また行政の日ごろのチェックや業者の選定の仕組みに問題はなかったのか取材しました。 「有症者数1212人。年齢は0歳~50歳代。原因の食品は牛乳であります」 富山市は、19日の会見で症状を訴えた人に共通の食品は牛乳だけでこれが原因と断定し、製造元の内田乳業を食品衛生法に基づく営業禁止としました。 内田乳業 内田喜夫社長 「原因が分からなくても事実は事実、本当に子どもたちの健康を心配しているところです」 しかし、牛乳の中の何が食中毒を引き起こしたのかは、まだ判明していません。市は細菌が原因の場合もあるとしていますが、細菌が繁殖した場合、牛乳の「味」や「におい」に変化が出ます。問題の牛乳を飲んだ学校関係者や子どもへの取材では、味の異常を感じたという声はありませんでした。 ここで疑われるのが細菌が作る毒素です。牛乳の製造過程の高温殺菌で菌は死にますが、いったん作られた毒素は分解されず、牛乳の中に残っていると食中毒の症状が出ます。 富山市が指摘している黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌などのうち、黄色ブドウ球菌は毒素を作ります。 さらに… 富山市保健所 鈴木富勝課長 「タンクの出口付近が不十分。出口付近から液が流れる配管がありますが、聞き取りの感じでは不十分ではないか」 洗浄が不十分なタンクや配管で細菌が発生した可能性もあります。 KNBの調べでは、内田乳業は、かつて2008年にも販売する牛乳から大腸菌群が検出され行政指導を受けていました。その後、給食への提供は再開されましたが、同業者からも、管理を不安視する声がありました。 給食の牛乳供給業者を選定しているのは県学校給食会です。県の指定を受け、県内すべての小中学校の給食業者を選定するようになったのは2009年からでした。 公益財団法人 富山県学校給食会 宮島幹雄事務局長 「選定する業者については、年間3回の衛生管理のチェックを受けていることが最低条件になっています」 業者の選定には、衛生管理の手法である「HACCPに準ずる基準を満たしていること」が条件として挙げられていて、チェック項目には「洗浄設備が整っているか」などが含まれています。しかし、タンクやパイプの洗浄など、具体的な項目にはなっていません。 公益財団法人 富山県学校給食会 宮島幹雄事務局長 「評価点を満たしているということで、問題はなかったと認識している」 県学校給食会は、内田乳業で去年12月に行われた衛生管理チェックでは問題は見つからなかったとしています。 ただ、今回、衛生管理が不十分だったとする保健所の調査を受けて県学校給食会は、今後の業者選定の基準について、県の担当課や教育委員会と協議していきたいとしています。 今回の食中毒は、県内で過去最大規模となりました。繰り返さないように、関係者は徹底した検証と対策を行ってほしいと思います。
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