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Monday, June 14, 2021

懐かしの牛乳配達車、エコな移動販売に再利用 ロンドン:時事ドットコム - 時事通信

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2021年06月14日12時16分

懐かしの牛乳配達車、エコな移動販売に再利用 ロンドン

【ロンドンAFP=時事】かつて英国の街角でおなじみだった牛乳配達用の電気自動車。エラ・ショーンさん(32)は昨年、その中古車を1台買い求め、新商売を始めた。食料品や生活雑貨を積んで首都ロンドンを回る移動販売で、プラスチック包装は一切使わない。(写真は英ロンドン東部で、牛乳配達車を再利用して移動販売サービス「ポップアップトラック」を展開するエラ・ショーンさん<右>)
 「ミルクフロート」の愛称で知られるこの車は、玄関先に瓶入り牛乳を届ける配達員によって数十年前まで広く使われていた。再利用されたトラックを見た客たちは「懐かしがる」とショーンさんは言う。
 人気上々の移動販売サービスは、名付けて「トップアップ(継ぎ足し満タン)トラック」。
 客は自分で持参した袋にレンズマメなどの乾物を入れたり、車に積んである大型ディスペンサーから酢や液体洗剤を瓶に入れたりする。新型コロナウイルス流行による1回目のロックダウン(都市封鎖)中に、廃棄物を減らす方法を考えていて浮かんだアイデアだ。
 5月の雨の日、ショーンさんはロンドン北東部の新興地区ハックニーで8か所回った。トラックを運転する感じは「とても一本調子で、ちょっとゴーカートのようです」。最高スピードは時速48キロ。「ハンドルが、がたつくこともある」そうだ。
 ある停車場所では3人の客が、乾燥マンゴー、パスタ、レーズンとシャンプーを買った。
 移動店舗はコロナ禍の外出自粛で拡大した宅配需要に乗じ、消費者が玄関先で「包装なしの買い物」をできるようにと始められた。「それをもっと簡単に、アクセスしやすく、見えやすくする必要があると感じていました」とショーンさんは振り返る。
 それでも、すぐには確信が持てなかった。「始めたばかりの頃は、自宅待機で少しおかしくなったかなと自分で思いました」
 ショーンさんはコロナ流行前、持続可能な製造方法を掲げる調味料メーカーで営業の仕事をしていたが、ロックダウン中は政府の賃金補償を受けて休職していた。
 そして「地域に根差したショッピング」を提供するために、ロックダウン中に貯めた資金を元にトラックを買おうと決めた。配達は昨年8月に開始。客はオンラインでトラックの停車を予約できる。
 彼女の最大の動機はプラスチック包装に対する懸念だ。時間が経過し分解された包装は、あらゆる場所でマイクロプラスチック汚染を引き起こす。
 政府や企業に届く行動が役立つとショーンさんは言う。「消費者レベルで行うべきことが沢山あるはずです」

■コロナ禍で「意識の目覚め」
 国際環境保護団体グリーンピースによると、英国は1人が出すプラスチックごみの量が、米国に次ぐ世界2位だ。
 グリーンピースと英NGO「環境捜査局(EIA)」が1月に発表した調査報告によると、英国の10大スーパーマーケットチェーンは改善を約束したにもかかわらず、2019年のプラスチック使用量削減実績はわずか1.6%だった。
 それでもショーンさんは、消費者には無駄な包装を減らそうとする意欲があると信じている。
 「コロナ禍の間、使い捨て(プラスチック)については多少、後戻りがみられました」。何かを再利用するとウイルスが広まってしまうと人々が恐れていることが理由だと言う。「それでも環境に対する私たちの責任という面では、少し意識が目覚めたと思います」
 4月にショーンさんはクラウドファンディングを通じ、1万5000ポンド(約230万円)の資金を集めた。これで移動店舗に棚を増やすことができる。以前勤めていた会社も辞めた。
 最終的には使い捨てのプラスチック包装が禁止されることを、ショーンさんは願っている。「プラスチックが全く不必要な分野がたくさんあるし、政府は企業活動を規制していません」
 「おまけにリサイクルのためのインフラもひどいありさまです」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕

この記事の英文はこちら【英文時事コム】

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