立ち食いスタイルで話題を呼んだステーキ店「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスの経営に黄信号がともった。25日、令和元年12月期の有価証券報告書に、「企業が今後も活動を続けられる」という前提に「疑い」が生じたことを示す「継続企業の前提に関する注記」を記載すると発表したのだ。店舗網の急拡大で来店客を奪い合う事態に陥り、業績が低迷。そこに、新型コロナウイルスショックが重なった。一世を風靡(ふうび)した、いきなり!はかつての輝きを取り戻せるか――。(手塚崇仁)
「年間で200店の出店は無理があった」。一瀬邦夫社長は今年2月、元年12月期の決算説明会で反省の弁を述べた。本業のもうけを示す連結営業損益は7100万円の赤字(前期は39億円の黒字)と、上場以来初の赤字。既存店売上高は、元年12月までに21カ月連続で前年同月を下回り、業績悪化に歯止めがかからなくなった。
いきなり!は、平成25年に東京・銀座に1号店を開店した。高品質なステーキ肉を手頃な価格で提供し、立ち食いスタイルで頻繁に客を入れ替えることで収益を確保するシステムを確立した。本格的な厚切りステーキが安く手軽に食べられると人気を集め、29年に国内で71店、30年には202店を出店した。
だが、同一商圏内への複数出店により客の奪い合いが発生した。特に、都市部と比べて所得水準の低い地方では客足が伸び悩んだ。担当者は「出店を急ぐあまり商圏の調査が不足していた」と振り返る。
手軽に食べられるとはいえ、日常で食べるには割高との声も。新生銀行が令和元年6月に公表した「サラリーマンのお小遣い調査」によると、会社員の1日の昼食代は男性555円、女性581円。一方、いきなり!で一番人気の「ワイルドステーキ」のランチ価格は200グラムにライス、サラダ、スープが付いて1千円超と約2倍だ。
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海外展開も頓挫した。平成29年には「ステーキの本場」である米国に鳴り物入りで進出。高級店の半額以下という価格設定だったが、立ってナイフとフォークを使うことを嫌がる米国人に受け入れられず、約2年で大量閉店を迫られた。
さらに、各店舗に貼り出された一瀬氏のメッセージが反発を招いた。昨年12月の貼り紙は、「このままではお近くの店を閉めることになります」との内容だったが、インターネット上で「上から目線」「客のせいにしている」など批判が続出。今年1月には「悪い口コミが店を台無しにします」と貼り出したところ、来店客に責任を転嫁するのか、などと批判された。
業績回復に向け、今年1月に第三者割当増資による新株予約権を発行したが、株価は行使価格の下限となる666円を下回り続けている。2月には、令和2年中に74店を閉店する方針を公表した。
そんな中、新型コロナの感染拡大で3月以降の来店客が著しく減少し、継続企業の前提に関する注記の記載を余儀なくされた。まさに、泣きっ面に蜂だ。
注記についての公表資料では、「新株予約権による資金調達が期待できない状況」と説明した上で、「役員報酬を含む本社費用の削減を目指して検討」するとしている。
新型コロナ対策として、東京など首都圏の都県が週末の不要不急の外出自粛を要請するなど、同社への“逆風”はますます強まっている。反転攻勢は、「いきなり!」とはいかなさそうだ。
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