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Saturday, March 28, 2020

生産者ら「地産地消」訴え 牛乳や花き、飛騨牛 - 中日新聞

割引された牛乳が並ぶコーナーとポップ広告=岐阜市福光南町のコープぎふ長良店で

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 新型コロナウイルスの感染拡大が県内の農畜産物に影響を与え、生産者や取り扱う事業者は悲鳴を上げ始めている。そんな中、関係者は少しでも「地産地消」を促し、危機を乗り越えようと努力している。

 牛乳は学校の一斉休校に伴い、給食で使われなくなった。生産者団体は家庭での消費を呼び掛け、県内のスーパーなどに地元産牛乳の特設コーナーを設けてもらい、アピールに努める。

 生産者でつくる県酪農農業協同組合連合会によると、三月の給食向けに生産していた生乳は、五百トン弱が余った。一部はバターや脱脂粉乳にする加工工場に持ち込むが、全国から集まるため、多くは受け入れてもらえない。運送の手配も難しいという。

 生乳との経費の差額分は国の対策で補てんされる。とはいえ、生産者の願いは牛乳での消費だ。近藤昌伸参事(60)は「一本でも飲んでもらえると、酪農家としてはうれしい」と訴える。

 生活協同組合コープぎふは、チラシを配るなどして宅配で牛乳の購入を呼び掛けているほか、県内の店舗では二十九日まで牛乳を十円前後割引し、消費を後押しする。

 卒業式や冠婚葬祭の取りやめ、規模縮小などで、花き生産業者の状況も厳しい。切り花は春が需要期だが、市場での取引値は例年の八分の一程度にまで落ちこんだ品種もあるという。県園芸特産振興会事務局の野村清和さん(50)は「せめて鉢植えの需要が増える『母の日』までに収束してほしい」と切実に話す。

 需要が見込める集客イベントは自粛が続くが、十九日には県庁で職員向けの販売会が開催された。同会花き部会長の加藤孝義さん(74)は「新型コロナで外出できない時こそ、家に花を飾って気分転換をしてほしい」と前を向く。

 飛騨牛の消費落ち込みも著しい。観光地で旅行客が減少し、レストランや宿泊施設での需要が減っているためだ。県は、名古屋にある県のアンテナショップなどで販促に力を入れる。

 高山市で飛騨牛を提供するレストランの男性オーナーによると、二月はほとんど影響はなかったが、三月は売り上げが六〜七割減っているという。約三十年営業する中で「一番ひどい。(二〇〇一年に発生した)牛海綿状脳症(BSE)のときもこれほどではなかった」と嘆く。

 影響は枝肉の価格に及ぶ。JA飛騨ミートの市場における和牛(去勢)のA5等級の平均価格は三月二十六日に一キロ三千二十八円と、二月六日の一キロ平均より四百十円値を下げた。長期化が続けば畜産農家への影響は大きい。県の担当者は「小売店に協力してもらったり、県民にPRしたりして、消費拡大を図っていきたい」と話す。

 (安福晋一郎、浜崎陽介)

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