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Thursday, December 26, 2019

いきなり!ステーキ大量閉店の裏で着々と牙を研ぐ「やっぱりステーキ」の不気味な存在 - ITmedia

 いきなり!ステーキが「大失速」している。11月に発表した2019年12月期第3四半期決算においては、出店計画を見直すと表明。全国津々浦々に大量出店する計画を期中修正し、当初の210店舗から115店舗へ見直していた。また、44店舗の閉店も合わせて発表していたが、12月になり、ようやく閉店する店舗の詳細を発表した。

大ブレーキのいきなり!ステーキ(出所:いきなり!ステーキ公式Webサイト)

 同社の発表によると、19年11月時点での店舗数は489にのぼる。11月の既存店売上高は前年同月比67.2%と、大幅に落ち込んでいる。新規店を含めた全店売上高も、同87.9%。出店しても赤字になる状況が8月から続いている。

 この大失速の裏で、ディーズプランニングの運営する「やっぱりステーキ」という店が一部ネットで注目を集めている。やっぱりステーキは、14年に1号店を沖縄でオープン。現在は全国各地に40店舗以上を展開する。「創業者が米国に留学した経験があり、米国で食べられているような“ゴツゴツした肉”を日本でも広めたいと思って創業した」と担当者は話す。

やっぱりステーキのこだわり(出所:ディーズプランニング公式Webサイト)

「いきなり!」と「やっぱり」の違い

 メニューなどをよく見ると、「やっぱり」は単なる「パクり」ではないようだ。

 「いきなり!」は路面店が多く、当初は立ち食い形態を基本として回転率を高める戦略を取っていた。一方、「やっぱり」は肉の種類にもよるが、「肉のおかわり」というメニューを用意している。およそ100グラム単位で、「もっと肉が食べたい」となったときに注文するメニューだ。

やっぱりステーキのメニュー(出所:ディーズプランニング公式Webサイト)

 また、「いきなり!」はオーダーカットを売りにするとともにご飯やサラダを別売りにすることで「肉を食べる」というコンセプトが強かった。一方「やっぱり」は、基本的にご飯、サラダ、スープがどの肉にもセットとなっている。「肉」というよりもしっかり腰を据えて「ご飯を食べる」店としてのニーズを狙っているとみられる。

 「いきなり!」の失速について「やっぱり」の担当者に聞いたところ「特にそこまで意識はしていない」と話した。現在、「やっぱり」は沖縄県外の場合ショッピングモールでの出店を旺盛に行っている。「いきなり!」が閉店した都心部のテナントに居抜きとしてオープンする可能性については「今は各地のショッピングモールを中心に、引き合いが多い。こちらから立地を見繕って出店計画を立てる、というよりも、要望に応じて検討することがほとんど」とコメントした。

 リクルートライフスタイルが運営するホットペッパーグルメ外食総研の「外食市場調査(2019年10月度)」によると、関東圏、関西圏、東海圏での「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」市場はほぼ横ばい。つまり、「いきなり!」が大失速していても、市場への影響は小さかった。低価格帯のステーキ業態にはあさくまの「やっぱりあさくま」、松屋フーズの「ステーキ屋松」、チムニーの「アッ!そうだステーキ」、モンテローザの「カミナリステーキ」など、プレーヤーが増加している。「いきなり!」から離れたお客がこれらの競合店に流れて、市場全体の変化が小さかったとみることもできそうだ。

出所:ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査(2019年10月度)」

 「やっぱり」が出店しているエリアは沖縄や九州など、上述の調査を行っているエリア外が多い。既に都市部で展開しているプレーヤーよりも一回り安い「やっぱり」が本格的に全国展開を開始したとき、市場にどのような影響を及ぼすのか。担当者の話では、いきなり展開するようなことはなさそうだが、やっぱり気になる。

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December 27, 2019 at 09:20AM
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