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Wednesday, December 14, 2022

給食に最上ランクの牛を使ったサイコロステーキ 農業高校生が奮闘:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

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 栃木県大平地区などの小中学校で先月、給食に高級牛肉を使った「サイコロステーキ」が並んだ。しかも牛枝肉取引規格では最上のA5ランクと折り紙付きだ。県内で唯一「農業高校」の名が残る栃木農業高校(栃木市平井町)の生徒たちが自慢の食材を提供する「栃農給食デー」。コロナ禍で黙食を続ける子どもたちから、自然と笑みがこぼれた。

 昨年の給食デーでは生徒たちが育てた豚8頭がショウガ焼きとして提供された。今年は6月から猛暑になった影響で豚の種付けがうまくいかず、代わりに牛肉になった。ボリュームは小学生が約50グラム、中学生が約60グラムだった。栃木市内の一部の小中学校ではサイコロステーキではなく、ビーフシチューに調理された。

 牛は動物科学科の3年生が足かけ3年間、丹精を込めてそだてた雌牛「みどり号」。食肉処理をしたところ、15段階の評価で最上のA5ランク。さらにBMS(牛脂肪交雑基準=霜降りの度合い)も最高12段階評価の11と、高級ブランド牛「とちぎ和牛 匠(たくみ)」を名乗れる逸品だった。

 栃木農高では日ごろから、枝豆やトウモロコシなど収穫した野菜を給食用に出荷している。約2500食を用意する今回の給食デーに合わせ、野菜だけでなく、米や味噌(みそ)、当日の朝に採取したブロッコリーなども加え、「栃木農高の総力戦」で取り組んだ。

 価格を基準にすると、栃木農高の食材の「自給率」は約88%。牛乳を含めれば県内産は約99%になった。

 この企画に合わせ、栃木農高では牛の出荷風景や野菜の収穫をウェブで公開している。牛が食肉処理場に出荷される時に必死に踏ん張る姿も出てくる。

 給食を食べた後、これらの動画を授業で見た児童からは「みどりちゃんを大切に育てていたのが分かった」「農業高校の先輩たちのおいしく食べてもらいたいという思いが詰まっていた」「みどりちゃんがお肉になる日の動画を見て、命と食べ物について考える機会になった」などの感想文が栃木農高に届いた。

 企画した大平学校給食センターの中田智子栄養教諭は「地産地消や食育といった言葉を改めて実感する機会になった」と話す。

 栃木農高の藤沢暢恒教諭は「生徒は『後輩に出す給食なのだから変なものは提供できない』と頑張っていた」と言い、「顔の見える生産者」という立場がいい刺激になったとみる。

 さらに「農業高校に興味がある、という感想文ももらった。農業に関心を持つ子供が育ってくれればうれしい」と話した。

 1回の給食ながら、小中学生たちにとっても、食材を用意した栃木農高の生徒らにとっても、「食の大切さ」を改めて考える契機になった。根岸敦生

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