牛乳に混ぜ、ほのかに甘いコーヒー風味に仕上げる調味品「ミルメーク」。半世紀前に名古屋のメーカーが発売し、全国の学校給食で親しまれてきた。粉末や液体のタイプがあり、牛乳が苦手な子どもの飲み残し対策に一役買っている。
大島食品工業(名古屋市守山区)が販売している。前身は1954年設立の製薬会社だが、後に食品分野に進み、学校給食用食材の製造を始めた。
当時の学校給食で出された脱脂粉乳は、カルシウムやビタミンは豊富だが味はいまひとつだった。そこで、お湯と一緒に混ぜるだけでプリンができる「プリンの素」を開発。すると子どもたちの人気を博した。
その後、脱脂粉乳から牛乳への移行期に、栃木県の学校給食会から「子どもが牛乳を残さず、おいしく飲めるようにしてもらえないか」と依頼が舞い込んだ。
さっそく開発に着手するも、牛乳にカルシウムを加えるだけでは製品化できなかった。試行錯誤の中、社員がコーヒー牛乳をおいしそうに飲む子どもを見たことがヒントになり、カルシウムやインスタントコーヒー、砂糖を混ぜた粉末のミルメークが完成。67年に発売した。
営業部長の原谷昭久さんは「なかなか味が向上せず、開発者はいかにおいしくするか苦労したようだ」と話す。
後にココア味やいちご味なども追加。少子化の影響で給食用の出荷量は減ったが、家庭でも楽しんでもらおうと、大手スーパーなどでも販売している。甘さ控えめの大人向け商品の開発計画もあるという。
原谷さんは「家庭で給食を思い出してもらうとともに、牛乳が苦手な人にもミルメークで牛乳のおいしさを感じてもらえたら」と願っている。〔共同〕
からの記事と詳細 ( 牛乳苦手な子助け半世紀 コーヒー風味「ミルメーク」(写真=共同) - 日本経済新聞 )
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